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2019/08/13「保護犬」との接し方

 

 

施設に来ていただいた事のある方はお分かりかもしれませんが、SPAで暮らす「保護犬」たちは元々飼われていた子たちとは違い、人懐っこい子が多くありません。

せっかく見に来ていただいても、寄って来てくれなかったり、触ろうと手を出しても逃げてしまったり…

 

 

 

それにはきちんと、理由があります。

なぜなら、彼らが元々野良犬」として生きてきた経緯や、その仔犬として保護された経歴を持っているからです。

都内ではもう「野良犬」を見かける事は無くなりましたが、同じ日本国内でも地方にはまだまだ「野良犬」が存在している事をご存知でしょうか?

 

 

 

 

 

そもそも「野良犬」とは、どんな犬たちを言い表すのか?

 

「野良犬」とは、文字通り 飼い主のいない野外を彷徨っている犬 たちを示します。

※ 諸説ありますが、「野良犬(のらいぬ)」は飼い主はいないが人家の周りをうろつき、残飯などを食べて生きている犬。

「野犬(やけん)」は人から離れて山に住み着き、野生化している犬の事を言うそうです。

 

 

 

飼い主がいないという事はすなわち、人間に慣れていない という事。

人間に撫でられる事はおろか、触られる事すら、犬たちにとっては未知の世界なのです。

何か怖い思いをするかもしれない、痛い事をされるかも、と警戒します。

自分たちが生き延びるために、人間から離れて山に住み着き、野生化してきた犬たちからすれば、信頼する仲間以外は「敵」かもしれないのです。

 

 

 

こうして体に染み付いた「警戒心」や「恐怖心」は、なかなか消える事はありません。

自分にとって、怖い事をしない、痛い事もされない、という存在だと分かってもらえないと、触らせてくれるどころか、近寄って来てもくれないのです。

 

 

 

 

 

 

では、どのようにして「保護犬」と接したら良いのでしょうか?

 

 

答えは「何もしない」事。

至ってシンプルなのです。

 

 

 

「お姉さんの事をずっと見ているね」

「スタッフさんにはよく懐いているね」

お客さんにもよく言われますが、私たちは彼らに何も特別な事はしていません。

毎日お部屋を掃除して、ごはんをあげ、お散歩に行きます。

たったそれだけなのです。

犬たちはそれだけで、ちゃんと お世話してくれる人 だと次第に認識してくれるようになります。

そうして、少しずつ心を開いてきてくれます。

 

 

 

もちろん、中には以前誰かに飼われていて捨てられてしまった子や、「野良犬」として保護されたとは言え、どこかで人から食べ物をもらっていたりした子は、ある程度人に慣れていたりします。

元から、人に触られるのもへっちゃらな子もいます。

妊娠している野良のお母さん犬が保護され、保護先で生まれた仔犬などは、同じ「元野良犬」と言えど、人間への警戒心や恐怖心などはほとんどない状態で大きくなりますから、ペットショップにいる仔犬と何ら変わりありません。

そういった子たちは、人間が近寄れば大抵自分から寄って来てくれます。

 

SPAでも、ドッグルームに出ている犬たちとは自由に触れ合っていただいておりますが、自分から寄って行ける子たちは触られるのが好きだったり、人懐こい子がほとんどです。

たくさん触れ合ってもらえると、きっと喜びます!

 

 

 

 

 

もしも、隅っこで固まって動けずにいたり、震えていたり、目を逸らされたり、ヴーっと唸ってくる子がいたら、そっとしておいてあげてください。

これらは、「怖いよ」という彼らなりのサインです。

 

 

 

 

 

もし、自分たちよりも体の大きい人間が、上から覆い被さるように見つめてきたら。

「おいで」と、強引に触ろうと手を伸ばしてきたら。

彼らの立場になって、想像してみてください。

知らない人に真正面から見つめられて、大きな手が伸ばされる想像を。

それはきっと誰もが「怖い」と感じるはずです。

 

 

 

 

 

 

彼らは私たちが思っている以上に、とても敏感で、繊細です。

ちょっとした動きや音にも、「そんなに?」と思うほど過剰にビックリします。

だから、最初はじーっと見つめたりせず、目線をそっと逸らしてあげてください。

もし彼らと触れ合う時は、彼らと同じ目線になるようにしゃがみ、真正面から向かい合うのではなく背中を向けて、彼らが自ら匂いを嗅ぎに来てくれるまで待ってあげてください。

急に動いたり、大きな声を出すのもNGです。

テンションをなるべくなるべく落とし、静かに、じっと待ってみましょう。

 

 

 

また、犬たちは帽子をかぶっている人や、マスクやメガネ、サングラスを身に付けている人など、顔を覆っている物があると怖がってしまう事があります。

私たち人間同士でも感じる事がありますが、犬にとっては大きな“圧迫感”を感じさせてしまうようです。

もし怖がりさんな彼らと接する事があったら、そういった装飾品を取り外してから触れ合ってみると良いかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

施設にいる彼らにとって、毎日身の回りのお世話をしてくれる人間は私たちスタッフです。

でもそれは、施設にいる間だけの事。

施設を出て新しい家族の元、新たな環境に行けば、彼らにとってのその存在は皆さんに変わります。

お部屋の掃除をしてくれる人。

ごはんをくれる人。

お散歩に連れて行ってくれる人。

シャンプーなどのケアをしてくれる人。

そういった存在が、スタッフから皆さんに変わる時がきっと来ます。

 

 

 

はじめはなかなか思うように距離を縮められなかったり、慣れてくれないなぁと感じる事もきっとたくさんあるかと思います。

ですが、そういった部分も、彼らの “個性” だと思って受け止めてあげる事が大切です。

彼らなりに頑張って新たな環境に馴染んでいこうとしてくれています。

だから、とにかく長い目で、気長に、忍耐強く付き合っていく必要があります。

それが果たして何ヶ月、何年かかるのかは、正直誰にもわかりません…

ある日、いきなりコロッと様子が変わる事もあります。

何年経ってもビクビクしてしまう子も…

 

それでもいつか、自分だけにはこんな様子を見せる、家族だけにはこんな顔をする、そういった特別な “何か” が、きっと感じられる時が来ると思います。

その時に初めて、保護犬と暮らしていく醍醐味を、感じられるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

SPAで暮らしている保護犬たちの中にも、なかなか人に心を開いてくれない子たちもいます。

トライアル期間だけでは、正直慣れてくれない、懐いてくれない、そう感じられる事がほとんどだと思います…

ですが、毎日一緒に過ごしているうちに、ご家族にしかわからないような些細な変化が、きっと見られます。

その変化が見られた時、これ以上にない達成感や喜びを感じられるのではないかと思います。

 

 

 

そういった部分もひっくるめて、保護犬たちをご家族の一員として迎え入れていただけたら、私たちスタッフもとても幸せです!

 

 

 

 

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