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2021/2/4見逃しやすい眼の病気 白内障

 

皆さんは「白内障」という病気を知っていますか?

どこかで聞いたことはあるけれど、よくは知らないという方が多いのではないでしょうか。

 

白内障は人でよく知られている眼の病気ですが、実は犬でもよく見られる病気です。

今回はそんな眼の病気「白内障」について解説したいと思います。

 

 

白内障とは

白内障は、水晶体という眼のレンズを担う部分が病的に混濁し、透過性が低下した状態をいいます。

水晶体が混濁する原因としてはタンパク質が変性してしまい、それが内部に溜まっていくことで白く濁って見えると言われています。

白内障は、先天性、遺伝性、代謝性、外傷性、薬物性、加齢性に起きると考えられています。

 

 

・先天性白内障

 生後2週齢で開眼した際に、白内障が認められる場合。

 水晶体などの発生異常や栄養不良、感染などの原因によって生じます。

 

・遺伝性白内障

 遺伝子の異常が白内障を引き起こしている場合。

 ボストンテリアやフレンチブルドッグなど特定の犬種ではHSF4という遺伝子の異常によって白内障を起こすことが知られています。

 

・代謝性白内障

 代謝性の疾患の二次的な影響として白内障を生じる場合。

 例えば、犬では糖尿病によって白内障を起こすことが知られています。

 

・外傷性白内障

 外傷によって水晶体が障害され、白内障が引き起こされた場合。

 穿孔性の外傷以外にも、鈍性の外傷によっても白内障が起きることが知られています。

 

・薬物性白内障

 薬物の影響で白内障を生じる場合。

 例えば、ケトコナゾールという抗真菌薬(カビの仲間を殺す薬)が白内障を引き起こすことが知られています。

 

・加齢性白内障

 加齢以外に白内障の原因がない場合、加齢性と診断されます。

 加齢とともに水晶体タンパク質の変性が生じ、小型犬では10歳以上、大型犬では6歳以上の場合が加齢性白内障を起こす指標となります。

 

 

白内障になるとどうなるのか

白内障になると、ただ水晶体が濁って見えるだけでなく、進行すると視覚に影響を与えてしまいます。

また白内障が進行すると、下記のような別の眼の病気に繋がってしまうことがあります。

・水晶体起因性ぶどう膜炎

 ぶどう膜という眼の内側を裏打ちするように存在し、眼を栄養する部分に炎症が生じてしまう状態。

・水晶体脱臼

 水晶体正常な位置から外れてしまう状態。

・続発性緑内障

 何らかの原因によって二次的に緑内障が起きてしまう状態。

・網膜剥離

 眼の最も内側に存在し、視覚を担っている網膜が剥がれてしまう状態。

 

水晶体起因性ぶどう膜炎や続発性緑内障は眼痛の原因となります。

また続発性緑内障や網膜剥離を併発している場合には、白内障に対して外科的治療を行っても、視覚の回復が見込めないこともあります。

 

 

白内障の予防・治療

白内障は水晶体の中に変性したタンパク質が溜まっていってしまう病気であるため、基本的には薬で完治させることはできません。しかし続発する他の疾患を予防する目的で治療が必要になってきます。白内障に対して何も処置しなかった場合に他の疾患が続発する可能性は100%であり、内科的治療を行った場合その可能性を60%近くまで軽減させることができたという報告があります。その報告では外科処置を施した場合には他の眼疾患を続発する可能性は15%まで軽減できたそうです。

また、ピレノキシンやグルタチオンという成分を含んだ目薬が白内障の進行を遅らせる効果があると言われており、これらを含有した点眼薬が白内障進行予防に使われることがあります。

 

 

白内障かもと思ったら?

 

おうちの子の眼に違和感を感じた場合は、眼科診療のできる動物病院を受診することをお勧めします。眼の検査には特別な機器が必要になることもあるため、行きつけの病院が眼科に対応しているかあらかじめ調べておくと良いでしょう。

 

白内障はそれ自体が直ちに生死に影響を与えるわけではありませんが、視力の低下を招き、生活の質(QOL)を低下させてしまいます。

白内障は薬で治すことはできませんが、進行を遅らせることはできると考えられています。そのため早期に発見し、適切な処置を行うことで、長い期間視覚を温存できることが期待できます。

白内障は加齢性に発症することも多く、進行して診断が下された時点で手術を行うことにはリスクも伴います。

 

早期発見、早期対応を行うことで大切な子のより良い生活が続いていくようにしてあげましょう。

 

 

 

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